「煮る」と「茹でる」って何が違うの?と子どもに聞かれて、うまく答えられませんでした。料理レシピに出てくる「煮る」「茹でる」「炊く」「蒸す」、似ているようで実はちゃんと違いがあるって知っていましたか?詳しく説明します。
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「煮る」「茹でる」「炊く」「蒸す」の違いを簡単にまとめると

まずは結論から!4つの違いをざっくり整理します。
・ 「煮る」は調味料を加えた液体で加熱、味を食材にしみ込ませる、煮物・煮魚・カレー
・ 「茹でる」は大量のお湯で加熱、味つけなし、パスタ・野菜の下処理・卵
・ 「炊く」は少量の水分と一緒に加熱、水分を食材に吸わせる、ご飯・炊き込みご飯・豆
・ 「蒸す」は水蒸気の熱で加熱、食材が水に触れない、茶碗蒸し・蒸しパン・温野菜
詳しい意味と使い方は、以下で順番に解説します。
「煮る」とは
「煮る」とは、調味料を加えた液体(だし・醤油・みりん・砂糖など)の中に食材を入れ、加熱しながら味をしみ込ませる調理法のことです。
「茹でる」と最も混同されやすいですが、最大の違いは「調味料が入っているかどうか」です。煮るときの液体には味がついていて、加熱しながら食材に味をしみ込ませることが目的です。煮汁ごと仕上げるものも多く、タレや煮汁まで食べる料理に使われます。
「煮る」を使う主な料理はこちらです。
・ 肉じゃが・筑前煮・おでんなどの煮物
・ 煮魚・角煮・豚の角煮
・ カレー・シチュー・豚汁
・ 煮豆・甘露煮
・ 煮卵(味玉)
煮る時間や火加減によって仕上がりが変わるのも特徴で、じっくり弱火で煮ると味がしみ込み、強火で短時間だと素材感が残ります。落し蓋をすると少ない煮汁でも全体に味が回りやすくなります。
去年の冬、はじめて肉じゃがを一から作ったとき、お湯に食材を入れて「これで煮てるよね」と思っていたら、調味料を入れ忘れていました。
食べてみたら全然味がしていなくて、夫に「これ茹でてるんじゃない?」と言われて、ああそういうことかと声が出てしまいました。煮ると茹でるの違いを体で理解した瞬間でした。
「煮る」は調味料入りの液体で加熱して味をしみ込ませる、家庭料理の中心にある調理法だといえます。
「茹でる」とは
「茹でる」とは、たっぷりのお湯(基本的に味付けなし、またはごく少量の塩のみ)の中に食材を入れて加熱し、食材に火を通したり、アクや余分な成分を取り除いたりする調理法のことです。
煮ると違い、茹で汁は基本的に捨てます。食材に味をしみ込ませることが目的ではなく、「火を通す」「やわらかくする」「アクを抜く」「色を鮮やかにする」などが主な目的です。茹でた後に別の味つけをすることが多いです。
「茹でる」を使う主な料理・場面はこちらです。
・ パスタ・うどん・そばなどの麺類
・ ブロッコリー・ほうれん草などの野菜の下処理
・ 卵(ゆで卵・半熟卵)
・ 肉・魚の下茹で(アク抜き・臭み取り)
・ 枝豆・とうもろこし
茹でるときのポイントは「たっぷりのお湯を使う」こと。お湯の量が少ないと温度が下がって仕上がりにムラが出やすくなります。野菜を茹でるときにひとつまみの塩を入れると、色鮮やかに仕上がり、味も引き締まります。
「恥ずかしい話ですが、パスタを茹でるとき何年もお湯に塩を入れずに作り続けていました。」
ある日レシピ動画で「パスタの茹で湯には海水くらいの塩を入れる」と見て試したら、同じパスタなのに全然違う味になってびっくりしました。茹でるときの塩がこんなに大事だったとは、と頭でわかっていても実感するまで時間がかかりました。
「茹でる」は食材に火を通すことが目的で、味つけは茹でた後に行うのが基本の調理法だといえます。
「炊く」とは
「炊く」とは、食材と少量の水分を鍋や炊飯器に入れ、加熱しながら水分を食材に完全に吸わせて仕上げる調理法のことです。
茹でると最も違う点は「水分を捨てない」ことです。炊くときは水分が食材にすべて吸収されることを前提としており、水加減が仕上がりに直結します。水が多すぎるとべちゃっとなり、少なすぎると芯が残る、という繊細さがあります。
「炊く」を使う主な料理はこちらです。
・ ご飯(白米・玄米)
・ 炊き込みご飯・おこわ
・ お粥・リゾット
・ 豆を炊く(黒豆・金時豆など)
・ 根菜を炊く(里芋・たけのこなど)
関西では「炊く」を「煮る」の意味で使うこともあり、「おでんを炊く」「魚を炊く」という表現が一般的です。標準語での「炊く」は主にご飯や豆など、水分を吸わせる調理に使います。
子どもが小学校に上がった年の春、炊飯器が壊れて土鍋でご飯を炊くことになりました。
水加減・火加減・蒸らし時間、どれか少しでもずれるとうまくいかなくて、最初の3回は失敗しました。炊飯器がいかに精密に「炊く」という工程を管理してくれていたかを痛感して、家電への感謝が生まれた出来事でした。
「炊く」は水分を食材にすべて吸わせる調理法で、水加減が命、ご飯を炊くという行為の根幹をなす技術だといえます。
「蒸す」とは
「蒸す」とは、沸騰したお湯から発生する水蒸気の熱を利用して食材を加熱する調理法で、食材がお湯に直接触れない点が他の3つと大きく異なります。
食材がお湯に触れないため、うまみや栄養素が水に溶け出しにくく、素材の味をそのまま活かしやすいのが最大の特徴です。しっとりとした仕上がりになるため、パサつきを防ぎたい料理や、ふんわりとした食感を出したい料理に向いています。
「蒸す」を使う主な料理はこちらです。
・ 茶碗蒸し・プリン
・ 蒸しパン・蒸しケーキ・まんじゅう
・ シュウマイ・肉まん
・ 温野菜(ブロッコリー・かぼちゃ・さつまいも)
・ 蒸し魚・蒸し鶏
フライパンに少量の水を入れてふたをする「蒸し焼き」も蒸すの応用です。餃子を焼くときの最後の工程や、鶏肉をしっとり仕上げるときによく使います。専用の蒸し器がなくても、深めのフライパンと金属製の皿で代用できます。
蒸しパンを子どもと一緒に初めて作ったとき、オーブンで焼くより簡単そうだと思って試してみました。
水蒸気でふっくら膨らむ様子を子どもが「すごい!」と言いながら見ていて、ふたを開けた瞬間の湯気と一緒に膨らんだ蒸しパンが出てきたときの顔が忘れられません。蒸すという調理法がこんなに感動的だとは思っていませんでした。
「蒸す」は食材を水に触れさせずに蒸気で加熱するため、素材のうまみと栄養をしっかり閉じ込められる調理法だといえます。
「煮る」「茹でる」「炊く」「蒸す」の違いを比較
4つを整理するうえで最も重要なポイントは「食材が液体に触れるかどうか」と「液体を最後に捨てるかどうか」です。
茹でるは液体に触れて液体を捨てる、煮るは液体に触れて液体も食べる(または煮詰める)、炊くは液体に触れて液体を食材に全部吸わせる、蒸すは液体に触れない、という整理ができます。
| 液体に触れる | 調味料 | 液体の量 | 液体の行方 | 代表的な料理 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 煮る | ◎ | あり | ひたひた〜多め | 食べる・煮詰める | 肉じゃが・煮魚 |
| 茹でる | ◎ | ほぼなし | たっぷり | 捨てる | パスタ・ゆで卵 |
| 炊く | ◎ | あり・なし両方 | 少量(吸わせる分) | 食材に吸わせる | ご飯・炊き込みご飯 |
| 蒸す | ×(蒸気のみ) | ほぼなし | 少量(蒸気用) | 蒸発する | 茶碗蒸し・蒸しパン |
料理のレシピを見て「これは煮るの?茹でるの?」と迷ったときは、「調味料が入っているかどうか」「液体を最後に捨てるかどうか」の2点を確認すれば、ほぼ判断できます。
よくある質問
Q1:「煮る」と「茹でる」の一番簡単な見分け方は何ですか?
調味料が入っているかどうかです。醤油・みりん・砂糖などの調味料が液体に入っていれば「煮る」、ほぼ味のないお湯で加熱して最後に捨てるなら「茹でる」です。
Q2:野菜は煮るのと茹でるのでどちらが栄養が残りますか?
蒸すが最も栄養が残りやすいとされています。茹でると水溶性のビタミン(ビタミンCなど)が茹で汁に流れ出てしまいます。煮る場合は煮汁ごと食べれば栄養を摂れますが、茹でるよりは栄養が流れ出やすいです。
Q3:「炊く」はご飯以外にも使いますか?
はい、豆(黒豆・金時豆)や根菜(里芋・たけのこ)を水分を吸わせながら加熱する場合にも使います。関西では「煮る」の意味で「炊く」を使うこともあり、「魚を炊く」「おでんを炊く」という表現も一般的です。
Q4:蒸し器がなくても蒸せますか?
できます。深めのフライパンや鍋に少量の水を入れ、耐熱の皿を底に置いてふたをすれば蒸し器の代わりになります。シュウマイや蒸しパン程度であれば、家にある道具で対応できます。
Q5:パスタは「茹でる」ですが、リゾットは何になりますか?
リゾットは米に水分を吸わせながら加熱するため「炊く」に近い調理法です。ただし途中でスープを少しずつ加え続ける点が通常の炊くとは異なります。厳密には「煮る」と「炊く」の中間的な調理法といえます。
Q6:「蒸す」と「蒸し焼き」は違いますか?
蒸し焼きは、フライパンで食材を焼きながら少量の水を加えてふたをし、水蒸気で中まで火を通す調理法です。外は焼いた食感、中はしっとりという仕上がりになります。餃子・鶏もも肉・ハンバーグなどによく使われます。
Q7:「ゆでこぼす」とはどういう意味ですか?
食材を一度茹でた後、茹で汁を捨てることを指します。アクや渋み・臭みを取り除くために行います。大根・こんにゃく・豆類などの下処理でよく使われる手順です。
Q8:初心者が最初に覚えるべき調理法はどれですか?
「茹でる」が最も失敗しにくく、まず覚えやすい調理法です。たっぷりのお湯に食材を入れるだけなので手順がシンプルです。次に「煮る」を覚えると、家庭料理の幅が一気に広がります。
「料理 便利グッズ」の人気商品をレビュー件数順に楽天で探す!まとめ
・ 「煮る」は調味料入りの液体で加熱、味をしみ込ませる。肉じゃが・煮魚・カレーなど家庭料理の主役
・ 「茹でる」はたっぷりのお湯で加熱して湯を捨てる。パスタ・野菜の下処理・ゆで卵に使う
・ 「炊く」は少量の水分を食材に全部吸わせる。ご飯・炊き込みご飯・豆が代表的
・ 「蒸す」は水蒸気で加熱、食材がお湯に触れない。うまみと栄養を閉じ込めてしっとり仕上がる
迷ったときは「調味料が入っているか」「液体を捨てるか吸わせるか」「食材がお湯に触れるか」の3点で確認すると、レシピを見ながらでも判断しやすくなります。
この記事を書きながら、私自身もなんとなく使っていた言葉がちゃんと整理できた気がしました。これからはレシピを読むときに「これは煮るか茹でるか」を意識しながら料理するようにしようと思います。

