レシピに「薄口醤油」と書いてあって、家にある普通の醤油で代用したら、仕上がりの色が思ったより濃くなってしまったことがあります。「濃口」「薄口」「白醤油」、名前は知っているけど何がどう違うのか、ちゃんと説明できますか?詳しく説明します。
「濃口醤油」「薄口醤油」「白醤油」の違いを簡単にまとめると

まずは結論から!3つの違いをざっくり整理します。
・ 「濃口醤油」は最も一般的な醤油、色が濃く香りが豊か、煮物・炒め物・なんでも使える
・ 「薄口醤油」は色が薄いが塩分は高め、素材の色を活かしたい料理・関西料理に使う
・ 「白醤油」は醤油の中で最も色が薄い、ほぼ透明に近い、素材の色を絶対に変えたくない料理に使う
詳しい意味と使い方は、以下で順番に解説します。
「濃口醤油」とは
「濃口醤油」とは、大豆と小麦をほぼ同量使って醸造した、日本で最も広く使われている醤油で、醤油全体の生産量の約8割を占める、いわゆる「普通の醤油」のことです。
濃い赤褐色と豊かな香りが特徴で、加熱すると香ばしい風味が増します。塩分濃度は約16〜17%程度で、醤油の中では中程度です。「醤油」と書かれたレシピのほとんどはこの濃口醤油を指しています。
濃口醤油が活躍する場面はこちらです。
・ 煮物・肉じゃが・おでん・角煮
・ 炒め物・焼き物・照り焼き
・ 刺身・寿司の付け醤油
・ ラーメン・チャーハン・餃子のタレ
・ 漬物・佃煮・煮卵(味玉)
加熱すると香ばしさが増す性質があるため、炒め物の仕上げに鍋肌から入れるとひと味違う仕上がりになります。色が濃いため、料理全体に醤油らしいこっくりとした色をつけたいときに向いています。
「やってしまいました。親戚の集まりで関西風のだし巻き卵を作ろうとしたのに、濃口醤油をそのまま使ったら色がまだら茶色になってしまいました。」
見た目が全然それらしくなくて、食べたらおいしかったのに見た目だけで損をした気がして悔しかったです。あのとき薄口醤油の存在を知っていれば、と思いました。
濃口醤油は、どんな料理にも対応できる万能選手で、日本の家庭料理の味の基盤を支える醤油だといえます。
「薄口醤油」とは
「薄口醤油」とは、濃口醤油より色が薄く仕上がるよう製造された醤油で、素材本来の色や風味を活かしたい料理に使われる、特に関西料理で欠かせない存在の醤油のことです。
「薄口」という名前から塩分が少ないと思われがちですが、実際は逆で塩分濃度は約18〜19%と濃口醤油より高めです。色が薄いのは塩分を多くすることで発酵を抑え、着色を防いでいるためです。仕上がりの色は薄いですが、しっかりとした塩味がつきます。
薄口醤油が活躍する場面はこちらです。
・ だし巻き卵・茶碗蒸し
・ 炊き合わせ・煮びたし
・ うどんのつゆ・吸い物
・ 白身魚の煮付け
・ 野菜の炊いたん(関西風の薄味の煮物)
薄口醤油で作ると、食材の色がきれいに残ります。白い豆腐やえびを煮ても、濃口醤油のような茶色にはならず、素材本来の色を活かした上品な仕上がりになります。
スーパーのレジ前で、隣に並んでいた関西出身の同僚が「え、家に薄口醤油ないの?」と驚いていて、関東育ちの私には縁が薄かったと気づきました。
試しに1本買って茶碗蒸しに使ってみたら、今まで作ったものより断然きれいな仕上がりになって、道具ひとつでこんなに変わるのかと驚きました。
薄口醤油は、塩分は高いのに色が薄いという一見矛盾した性質を持つ、素材の美しさを守るための醤油だといえます。
「白醤油」とは
「白醤油」とは、大豆をほとんど使わず小麦を主原料として作られる、醤油の中で最も色が薄くほぼ琥珀色〜淡い黄金色をした、非常に繊細な風味の醤油のことです。
主に愛知県を中心とした東海地方で昔から作られており、生産量は全体のわずか1%以下という希少な醤油です。色がほとんどつかないため、料理の色を一切変えたくない場面で使われます。風味は醤油というより「上品な塩味とほのかな甘み」に近く、独特の香りがあります。
白醤油が活躍する場面はこちらです。
・ 茶碗蒸し・お吸い物(最上級の仕上がりを求めるとき)
・ 白身魚の刺身・カルパッチョ
・ だし巻き卵(色を全くつけたくないとき)
・ 白いソースや洋風料理への隠し味
・ 漬物・ドレッシング
賞味期限が短く、開封後は風味が落ちやすいという繊細さがあります。価格も濃口・薄口より高めで、スーパーでは置いていない店舗も多く、業務用や料理専門店での使用が多い醤油です。
夫の職場の同僚が料理好きで、白醤油を使った茶碗蒸しを持ってきてくれたことがあります。
食べてみたら今まで食べた茶碗蒸しとは別物のような透き通った上品な味で、「これ何が違うの?」と聞いたら白醤油を使っていると教えてもらいました。見た目も味も、同じ茶碗蒸しとは思えないほど違いました。
白醤油は、料理の色を守りながら上品な塩味と風味を加える、和食の繊細さを極めた存在だといえます。
「濃口醤油」「薄口醤油」「白醤油」の違いを比較
3つを選ぶうえで最も大切なポイントは「料理の仕上がりの色をどうしたいか」です。
こっくりとした色をつけたいなら濃口醤油、素材の色を活かしながらしっかり味をつけたいなら薄口醤油、色を一切変えたくないなら白醤油、という選び方が基本になります。
| 色 | 塩分濃度 | 主原料 | 向いている料理 | 入手しやすさ | |
|---|---|---|---|---|---|
| 濃口醤油 | 濃い赤褐色 | 約16〜17% | 大豆・小麦(同量) | 煮物・炒め物・なんでも | ◎どこでも買える |
| 薄口醤油 | 薄い琥珀色 | 約18〜19% | 大豆・小麦・米 | だし巻き卵・吸い物・煮びたし | ○大型スーパーにあり |
| 白醤油 | 淡い黄金色 | 約18〜19% | 小麦中心(大豆少量) | 茶碗蒸し・お吸い物・白身魚 | △専門店・通販が中心 |
「薄口醤油は塩分が少ない」という思い込みは料理の失敗につながりやすいポイントです。薄口醤油で作るときは、濃口醤油と同じ量を使うと塩辛くなりすぎることがあるため、少量から調整するのがコツです。
料理での使い分けのコツと覚え方
3種類の醤油を正しく使い分けるための覚え方をまとめます。
「仕上がりの色で選ぶ」が一番シンプル
醤油選びで迷ったときは、「この料理の仕上がりをどんな色にしたいか」だけを考えると整理しやすくなります。
こっくり茶色にしたい → 濃口醤油
素材の色を残したい → 薄口醤油
色をほぼ変えたくない → 白醤油
この3段階で考えると、レシピに「薄口醤油」と書いてあったときの意図が自然とわかるようになります。
薄口醤油を買う前に確認すること
薄口醤油を初めて使うときに最も陥りやすいミスが「塩分が少ないと思って多めに使う」ことです。薄口醤油は濃口醤油より塩分が高いため、同じ量を使うと塩辛くなります。レシピに書かれた分量の8割程度から始めて、味を見ながら足すのが安全です。
白醤油がない場合の代用方法
白醤油はスーパーで手に入りにくいため、代用が必要な場面もあります。薄口醤油を少量使う、またはだしに少量の塩を加える方法で近い仕上がりに近づけることができます。完全に同じにはなりませんが、家庭料理では十分です。
「まず薄口醤油を1本足してみる」がおすすめの最初の一歩
濃口醤油しか持っていない場合、まず薄口醤油を1本加えることをおすすめします。茶碗蒸し・だし巻き卵・うどんのつゆなど、一気に料理の見た目のレベルが上がります。白醤油はその次のステップとして、料理に慣れてきてから試すのがちょうどいいと思います。
よくある質問
Q1:薄口醤油は塩分が少ないのですか?
逆です。薄口醤油は濃口醤油より塩分濃度が高く、約18〜19%あります。「薄口」は色が薄いという意味で、塩分の量を指しているわけではありません。使いすぎると塩辛くなるため注意が必要です。
Q2:薄口醤油がないとき、濃口醤油で代用できますか?
できますが、仕上がりの色が濃くなります。見た目を気にしない料理であれば代用可能です。色を抑えたい場合は、濃口醤油の量を減らして塩で塩分を補う方法もあります。
Q3:白醤油と薄口醤油はどう使い分ければいいですか?
素材の色を残したいが料理に醤油の風味もほしい場合は薄口醤油、色を一切変えずに上品な塩味だけつけたい場合は白醤油を選びます。白醤油は風味が繊細で賞味期限も短いため、特別な料理に使う醤油という位置づけです。
Q4:だし巻き卵には薄口醤油と白醤油どちらが向いていますか?
どちらも向いていますが、目的によって異なります。色をある程度抑えつつ醤油の風味も楽しみたいなら薄口醤油、色を完全に透明に近づけたいなら白醤油です。家庭では薄口醤油で十分きれいな仕上がりになります。
Q5:濃口醤油でうどんのつゆを作ると何が違いますか?
仕上がりの色が濃く黒っぽくなります。関東風の濃いつゆになる分、見た目のインパクトは強くなりますが、関西風の透き通った色のつゆにはなりません。どちらが正解ということではなく、求める仕上がりによって使い分けます。
Q6:醤油は開封後どのくらいで使い切るべきですか?
一般的に開封後は冷蔵庫で保存し、1〜2か月以内に使い切るのが理想です。特に白醤油は色が変わりやすく風味が落ちやすいため、開封後はより早めに使い切ることが推奨されています。
Q7:減塩醤油は薄口醤油と同じですか?
違います。減塩醤油は製造後に塩分を取り除いて塩分濃度を下げたもので、色は濃口醤油と同じく濃い赤褐色です。薄口醤油は製造方法の違いで色を抑えたものであり、塩分は通常より高めです。目的も用途もまったく異なります。
Q8:料理初心者はどの醤油から揃えればいいですか?
まず濃口醤油だけで十分です。日本の家庭料理のほとんどは濃口醤油で作れます。料理に慣れてきて見た目にこだわりたくなったタイミングで薄口醤油を加えると、作れる料理の幅が広がります。白醤油はさらにその先の選択肢です。
「醤油」の人気商品をレビュー件数順に楽天で探す!まとめ
・ 「濃口醤油」は色濃く香り豊か。どんな料理にも使える万能醤油で日本の家庭の定番
・ 「薄口醤油」は色が薄いが塩分は高め。素材の色を活かしたい関西料理やだし巻き卵に活躍
・ 「白醤油」は醤油の中で最も色が薄い。料理の色を変えたくない繊細な一品に使う希少な醤油
迷ったときは「仕上がりの色をどうしたいか」で選ぶのが一番シンプルです。まずは濃口醤油をしっかり使いこなし、次のステップとして薄口醤油を1本足してみると、料理の見た目が一段階上がる体験ができると思います。
この記事を書いて、薄口醤油を買ったまましまいこんでいたことを思い出しました。これを機に茶碗蒸しを作ってみようと思います。

