「今月の給与が振り込まれた」「最低賃金が引き上げられる」「フリーランスの報酬」……どれも「働いて得るお金」を表しているようだけど、何が違うんだろう?
私の夫が「給与明細を見たら、賃金という言葉も出てくるけど、給与と何が違うの?」と聞いてきたとき、私も答えられませんでした。さらに友達がフリーランスになって「報酬をもらう立場になった」と言っていて、ますます混乱しました。
この記事では以下がわかります:
・ 「給与」「賃金」「報酬」それぞれの正しい意味と定義
・ ビジネスでの正しい使い分けと具体的な例文
・ 間違えやすいポイントと覚え方のコツ
「給与」「賃金」「報酬」の違いを簡単にまとめると

まずは結論から!3つの違いをざっくり整理します。
・ 「給与」は会社員が会社から受け取るお金、月給制が一般的、基本給+手当を含む
・ 「賃金」は労働の対価として支払われるお金全般、法律用語、時給・日給・月給すべて含む
・ 「報酬」は特定の仕事の成果に対して支払われるお金、フリーランスや士業、雇用関係がない
3つとも「働いて得るお金」に関わる言葉ですが、雇用形態・法律上の定義・使われる場面が大きく異なります。詳しい意味と使い方は、以下で順番に解説します。
「給与」とは
「給与」とは、雇用関係にある会社員(正社員・契約社員など)が会社から毎月定期的に受け取るお金を指す言葉で、基本給に各種手当を加えた総額を意味します。
「給」は「あたえる・与える」、「与」は「あたえる」を意味します。給与という言葉の特徴は、月給制で働く会社員に対して使われる一般的な表現である点です。基本給だけでなく、役職手当・住宅手当・家族手当・通勤手当なども含めた総額を「給与」と呼びます。
給与は月単位で計算・支給されることが一般的です。
毎月決まった日(給料日)に銀行口座に振り込まれます。給与明細には「基本給」「各種手当」「総支給額」「控除額(税金・社会保険料)」「差引支給額(手取り)」が記載されます。給与は安定性があり、毎月ほぼ一定額が支給されるのが特徴です。
「給与」が使われる主なシーンはこちらです:
・ 給与明細で「今月の給与総額は320,000円です」
・ 転職活動で「希望給与は年収400万円です」
・ 日常会話で「給与が振り込まれた」
・ 人事制度で「給与体系を見直す」
・ 「給与所得者」のように、会社員を指すとき
夫が毎月25日に給与明細をもらってきます。基本給が250,000円で、役職手当が30,000円、通勤手当が10,000円、合計の総支給額が290,000円です。ここから税金と社会保険料が引かれて、手取りは約230,000円になります。これが「給与」で、毎月安定して同じくらいの金額が支給されるのが特徴ですね。
「賃金」とは
「賃金」とは、労働基準法で定義される法律用語で、労働の対価として使用者が労働者に支払うお金全般を指し、時給・日給・月給のすべてを含む広い概念です。
「賃」は「やとう・雇う」、「金」は「かね」を意味します。賃金という言葉の特徴は、法律上の正式な用語であり、給与よりも広い範囲をカバーする点です。月給制の会社員の給与も、時給制のアルバイトの時給も、日雇い労働者の日給も、すべて「賃金」に含まれます。
賃金は労働基準法第11条で「賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのもの」と定義されています。
最低賃金法・賃金支払いの5原則など、法律や制度では「賃金」という言葉が使われます。給与は賃金の一種であり、賃金という大きな概念の中に給与が含まれるという関係です。
「賃金」が使われる主なシーンはこちらです:
・ 法律・制度で「最低賃金が1,000円に引き上げられる」
・ 労働問題で「賃金の未払いが発生している」
・ 統計で「賃金水準が上昇している」
・ 就業規則で「賃金支払いの5原則を遵守する」
・ 「賃金格差」のように、社会問題を語るとき
私がパート先で時給制で働いていたとき、求人票には「時給1,100円」と書いてありました。この時給も法律上は「賃金」です。ニュースで「最低賃金が引き上げられる」という話を聞くと、時給で働く人みんなに関係する話だとわかります。賃金は法律用語で、働く人全員が受け取るお金の総称なんですね。
やる気やモチベーションで仕事をするな。
— 楽天モバイルの田草川さん (@Nicotama222) February 14, 2026
報酬の対価として結果を出す。
以上。 https://t.co/slsE9DJXua
「報酬」とは
「報酬」とは、特定の仕事の成果や業務に対して支払われるお金を指す言葉で、雇用関係がない場合に使われ、フリーランス・個人事業主・士業(弁護士・税理士など)が受け取るお金を意味します。
「報」は「むくいる・報いる」、「酬」は「むくいる・報いる」を意味します。報酬という言葉の特徴は、給与・賃金が「雇用関係に基づく定期的な支払い」であるのに対し、報酬は「特定の業務・成果に対する対価」である点です。雇用関係がなく、業務委託契約や請負契約に基づいて支払われます。
報酬は税務上も給与・賃金とは異なる扱いを受けます。
給与所得ではなく「事業所得」または「雑所得」として扱われます。源泉徴収の方法も異なり、社会保険料の天引きもありません。報酬を受け取る側は、自分で確定申告をして税金を納める必要があります。
「報酬」が使われる主なシーンはこちらです:
・ フリーランスで「今回の案件の報酬は20万円です」
・ 士業で「弁護士報酬を支払う」
・ 業務委託で「報酬の支払い条件を契約書に記載する」
・ 顧問で「顧問報酬として月額5万円を支払う」
・ 「報酬型」のように、給与制と対比するとき
友達がフリーランスのデザイナーになって、「今は給与じゃなくて報酬をもらう立場になった。1件のデザイン案件で10万円とか、プロジェクトごとに報酬が決まる」と話していました。会社員のように毎月決まった金額が振り込まれるわけではなく、仕事をした分だけ報酬が入るそうです。報酬は雇用関係のない働き方で使われる言葉なんですね。
3つの違いを比較
ここで「給与」「賃金」「報酬」の違いを、いくつかのポイントでまとめて整理します。
最もわかりやすい違いは「雇用関係の有無」です。
給与と賃金は雇用関係がある場合に使われます。会社(使用者)と労働者の間に雇用契約があり、定期的に支払われます。報酬は雇用関係がない場合に使われます。業務委託契約や請負契約に基づき、特定の仕事の成果に対して支払われます。
「範囲の広さ」も異なります。
賃金は最も広い概念で、時給・日給・月給・年俸など、雇用関係に基づくすべての支払いを含みます。給与は賃金の中の一部で、主に月給制の会社員が受け取るお金を指します。報酬は雇用関係の外にあり、独立した立場で働く人が受け取るお金です。
「税務上の扱い」も大きく異なります。
給与・賃金は「給与所得」として扱われ、会社が源泉徴収して年末調整をします。報酬は「事業所得」または「雑所得」として扱われ、受取人が自分で確定申告をします。社会保険料の扱いも異なり、給与・賃金は会社と折半、報酬は自己負担です。
ビジネスでの使い方と例文
ビジネス文書で3つを使い分ける際の具体的な例文を紹介します。「会社員なら給与、法律用語なら賃金、フリーランスなら報酬」と覚えておくと実務で役立ちます。
【給与の例文】
・ 「今月の給与は25日に振り込まれます」
・ 「給与明細を確認してください」
・ 「給与体系を見直して昇給を実施します」
【賃金の例文】
・ 「最低賃金法に基づき時給を設定します」
・ 「賃金の支払いは通貨で直接労働者に支払います」
・ 「賃金格差の是正に取り組みます」
【報酬の例文】
・ 「業務委託契約に基づき報酬を支払います」
・ 「弁護士報酬は着手金と成功報酬に分かれます」
・ 「報酬の源泉徴収税額を計算します」
シーン別の使い分けガイド
日常会話・会社員の給料の話では「給与」が最も自然です。「給与が振り込まれた」「給与明細をもらった」のように、月給制で働く会社員の文脈では給与を使うのが一般的です。
法律・制度・労働問題の文脈では「賃金」が正式です。最低賃金法・賃金支払いの5原則・賃金未払いなど、法律や制度を語るときは賃金という言葉が使われます。就業規則にも「賃金」と記載されます。
フリーランス・業務委託・士業の文脈では「報酬」が適切です。「フリーランスの報酬」「顧問報酬」「弁護士報酬」のように、雇用関係のない働き方では報酬を使います。
間違えやすいポイント
最もよくある間違いは、フリーランスの収入を「給与」と呼んでしまうことです。
フリーランスには雇用関係がないため、「給与」とは言いません。正しくは「報酬」です。「フリーランスの給与」という表現は不正確で、「フリーランスの報酬」が正しいです。税務上の扱いも異なるため、正確な使い分けが重要です。
「賃金」を日常会話で使いすぎることへの注意も必要です。
賃金は法律用語としては正確ですが、日常会話では少し堅苦しい印象を与えます。「今月の賃金が振り込まれた」より「今月の給与が振り込まれた」の方が自然です。場面に応じて使い分けましょう。
「給与」と「給料」の違いにも注意が必要です。
厳密には、給与は「基本給+手当の総額」、給料は「基本給のみ」を指すことがありますが、日常会話ではほぼ同じ意味で使われます。給与明細には「給与」と書かれることが多いです。
よくある質問
Q1:「給与」と「賃金」はどう使い分ける?
日常会話や会社員の給料の話では「給与」、法律・制度・統計では「賃金」を使います。 給与は賃金の一部で、主に月給制の会社員が受け取るお金を指します。賃金は時給・日給・月給すべてを含む広い概念です。日常会話では給与の方が自然で、公式文書では賃金が正確です。
Q2:報酬と給与の税金の違いは?
給与は「給与所得」、報酬は「事業所得」または「雑所得」として扱われます。 給与は会社が源泉徴収して年末調整をしますが、報酬は受取人が自分で確定申告をします。また、給与からは社会保険料が天引きされますが、報酬からは天引きされず、受取人が自分で国民年金・国民健康保険に加入します。
Q3:アルバイトの時給は給与?賃金?
法律上は「賃金」、日常会話では「時給」または「バイト代」と呼ばれることが多いです。 時給も賃金の一種で、労働基準法の保護を受けます。給与明細には「給与」と記載されることもありますが、厳密には時給制のアルバイトの場合、「時間給としての賃金」が正確な表現です。
Q4:フリーランスの報酬から何が引かれる?
源泉徴収税(所得税の前払い)が引かれることがあります。 一定額以上の報酬には10.21%(100万円超の部分は20.42%)の源泉徴収が行われます。ただし、社会保険料は天引きされず、自分で国民年金・国民健康保険に加入して支払います。最終的な税額は確定申告で確定します。
Q5:「給与所得者」とは?
給与を受け取る会社員・公務員・アルバイトなど、雇用されて給与・賃金を受け取る人を指します。 会社が源泉徴収と年末調整をしてくれる立場の人です。フリーランス・個人事業主は給与所得者ではなく、自分で確定申告をする必要があります。
Q6:日常会話では3つのどれが使いやすい?
日常会話では「給与」が最も使いやすく自然です。 会社員同士の会話や家族との話では「給与」が一般的です。「賃金」は少し堅い印象、「報酬」はフリーランスや士業の文脈に限られるため、幅広く使えるのは「給与」です。ただし、働き方に応じて正確に使い分けることも大切です。
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「給与」「賃金」「報酬」の違いを整理すると、以下のようになります。
・ 「給与」は雇用関係のある会社員が受け取るお金、月給制が中心、基本給+手当の総額
・ 「賃金」は労働の対価として支払われるお金全般、法律用語、時給・日給・月給すべて含む広い概念
・ 「報酬」は雇用関係のない特定業務の対価、フリーランス・士業、業務委託契約に基づく
「会社員なら給与、法律用語なら賃金、フリーランスなら報酬」という基準を覚えておくだけで、3つの使い分けがぐっとクリアになります。ぜひビジネスの場面で正しく使い分けてみてください!

