「女性棋士」と「女流棋士」って、なんとなく同じ意味に聞こえませんか?子どもが将棋に興味を持ち始めてニュースを一緒に見ていたとき、この2つの呼び方が交互に出てきて、「あれ、違うの?」とぼんやり気になりました。詳しく説明します。
「女性棋士」「女流棋士」の違いを簡単にまとめると
まずは結論から!2つの違いをざっくり整理します。
・ 「女性棋士」は男女共通の制度を勝ち抜いた女性、四段以上、現時点では存在しない
・ 「女流棋士」は女性専用のプロ制度、1974年創設、将棋普及を目的とした別枠
詳しい意味と使い方は、以下で順番に解説します。
「女性棋士」とは
「女性棋士」とは、男女の区別がない通常のプロ制度「棋士」の条件を満たした女性のことで、奨励会という養成機関を勝ち抜いて四段以上に昇段した女性を指します。
将棋のプロになるには、奨励会という養成機関に入り、6級からスタートして段位を上げていく必要があります。その最終関門が「三段リーグ」で、半年間のリーグ戦を勝ち抜いて四段に昇段した時点で、晴れてプロ棋士となります。この奨励会には性別による制限はなく、男女を区別しない完全な実力制度です。
女性棋士をめぐる主なポイントはこちらです。
・ 男女共通の奨励会を四段まで勝ち抜く必要がある
・ 三段リーグは半年間で原則2名しか通過できない超難関
・ 棋士編入試験という別ルートも存在する
・ 制度上、女性がなれない理由はどこにもない
しかし1974年の女流棋士制度発足以降、2025年時点で将棋の女性プロはいずれも「女流棋士」であり、「女性棋士」になった人はいません。つまり「女性棋士」という言葉は、制度として存在はするものの、現実にはまだ誰もなったことのない称号です。
夫が将棋好きで、子どもと一緒によくテレビ中継を見ているのですが、あるとき夫が「女性がプロ棋士になったことはまだないんだよ」と言っていました。「えっ、女流棋士って違うの?」と聞いたら、「全然別の制度なんだよ」と教えてくれて、「あ、そういうことか」と声が出てしまいました。
それからニュースで将棋の話題が出るたびに、「女性棋士」と「女流棋士」という2つの言葉がまったく別の重みを持って聞こえるようになりました。言葉一字の違いに、将棋界の長い歴史と制度の複雑さが凝縮されていたんだと思いました。
「女性棋士」は男女共通の厳しい競争を勝ち抜いた先にある称号で、現時点ではまだ誰も到達していない未踏の領域です。
「女流棋士」とは
「女流棋士」とは、日本将棋連盟が1974年に設けた女性専用のプロ制度で、通常の棋士制度とは別に、一定以上の棋力を持つ女性にプロとして活躍する場を与える仕組みのことです。
女流棋士制度が誕生した背景には、当時の将棋界で女性が奨励会を勝ち抜くことが極めて難しく、女性が将棋を職業にできる受け皿が必要とされていた事情があります。1974年に日本将棋連盟の満場一致の決議により正式に発足し、第一期の女流名人戦が開催されました。
女流棋士になるための主な条件はこちらです。
・ 将棋連盟の研修会でB1クラス以上に昇級する
・ アマチュア出場枠のある公式棋戦で所定の成績を収める
・ 奨励会2級以上に在籍している
・ 以上のいずれかを満たすと「女流2級」としてプロ入りできる
女流棋士には、日本将棋連盟に所属する者、日本女子プロ将棋協会(LPSA)に所属する者、いずれにも所属していないフリー女流棋士がいます。女流棋士になるとプロとして対局料を受け取ることができ、女流タイトル戦にも参加できます。
パートの同僚に将棋ファンがいて、「女流タイトルって何種類あるの?」と聞いたことがあります。「白玲、女王、女流名人、女流王位、倉敷藤花、女流王将、女流棋聖の7つあるよ」と教えてもらい、それだけの棋戦が整備されているんだと初めて知りました。
近年は女流棋士の棋力向上も著しく、女流タイトルの賞金額が大幅に引き上げられるなど、女流棋界の価値も年々高まっています。将棋を通じて女性の活躍の場が広がっているんだと、ニュースを見るたびに感じます。
女流棋士は将棋の普及と女性の活躍の場を両立させるために生まれた制度で、独自のタイトル戦を持つ確立されたプロの世界です。
「女性棋士」「女流棋士」の違いを比較
2つの最大の違いは「どの制度に基づくプロか」という点です。
「棋士」は男女共通の奨励会を四段まで勝ち抜いた人に与えられる称号で、性別は関係ありません。「女性棋士」はその棋士の中の女性を指します。一方「女流棋士」は、棋士とは完全に別の女性専用プロ制度です。
棋力の面では、棋士と女流棋士の間にはかなりの実力差があるのが実情で、トップ女流棋士が一般棋戦に参加したときの棋士との勝率は高くても3割程度とされています。これは制度の難易度の違いを反映しています。
また、囲碁との比較も興味深いです。囲碁界では男女の区分なく同じ制度でプロになるため、女性も「女性棋士」として男性と同じ棋戦に出場しています。将棋と囲碁では制度の在り方が大きく異なります。
| 制度の種類 | なれる人 | なる方法 | 現状 | |
|---|---|---|---|---|
| 女性棋士 | 男女共通の棋士制度 | 男女問わず | 奨励会で四段昇段 | 該当者なし(2025年時点) |
| 女流棋士 | 女性専用のプロ制度 | 女性のみ | 研修会成績など別条件 | 多数が活躍中 |
「女性」と「女流」、たった一字の違いに、まったく異なる2つの制度が込められているわけです。
よくある質問
Q1:「女性棋士」と「女流棋士」は同じ意味ですか?
違います。「女性棋士」は男女共通の奨励会を勝ち抜いて四段以上になった女性を指し、「女流棋士」は女性専用の別制度に基づくプロを指します。将棋界では明確に区別されており、2025年時点で女性棋士は存在しません。
Q2:女流棋士はなぜ「棋士」とは別の制度なのですか?
女流棋士制度は1974年に、当時女性が奨励会を勝ち抜くことが極めて難しい状況の中で、女性が将棋を職業にできる場をつくるために設けられました。将棋普及を目的とした独立した制度です。
Q3:女流棋士は男性の棋士と対局できますか?
通常の公式棋戦では別枠になっていますが、一部の棋戦には女流枠として参加できるものもあります。また棋士編入試験に合格した場合は、女流棋戦とプロ棋士公式棋戦の両方に出場できます。
Q4:囲碁界では「女流棋士」と「女性棋士」はどう違いますか?
囲碁界では将棋と異なり、男女で別制度はなく、男女同じ制度でプロ棋士になります。囲碁で「女流」がつく棋戦があっても、出場する女性はあくまで「女性棋士」であり、将棋の女流棋士制度とは異なります。
Q5:女流棋士になるにはどうすればいいですか?
主な方法は、将棋連盟の研修会でB1クラス以上に昇級すること、またはアマチュア出場枠のある公式棋戦で所定の成績を収めることです。条件を満たすと女流2級としてプロ入りできます。
Q6:女流棋士の女流タイトルは何種類ありますか?
2025年時点で7つあります。白玲、女王、女流名人、女流王位、倉敷藤花、女流王将、女流棋聖がそれぞれ独立したタイトル戦として開催されています。
Q7:女性が将棋の「棋士」になれない理由はなんですか?
制度上の制限はありません。奨励会への入会も男女同条件です。ただし奨励会の三段リーグは半年で原則2名しか通過できない超難関で、これまで女性でこの関門を突破した人がいないのが現状です。
Q8:「女性棋士」が誕生する可能性はありますか?
あります。棋士編入試験という奨励会以外のルートもあり、過去にトップ女流棋士がこの試験に挑戦したことがあります。近年は女流棋士の棋力向上も著しく、将来的な女性棋士誕生への期待は高まっています。
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・ 「女性棋士」は男女共通の奨励会を四段まで勝ち抜いた女性で、2025年時点では誰も存在しない
・ 「女流棋士」は1974年に設けられた女性専用のプロ制度で、独自のタイトル戦を持つ確立された世界
個人的には、この2つをしっかり区別して話せる人はそう多くないと思います。私も子どもが将棋に興味を持つまで、なんとなく同じものだと思っていました。「女性」と「女流」、一字違いに制度の歴史と意味が詰まっていると知ると、ニュースの見え方が変わります。
将棋に興味がある方は、女流タイトル戦のニュースを追いかけながら、いつか「女性棋士誕生」のニュースが流れる日を楽しみに待ってみてください。
私もこれを機に、将棋のニュースをもう少しちゃんと追いかけてみようと思います。

