商品のロゴや本の奥付に小さく付いている「®」「TM」「SM」「©」というマーク。なんとなく見たことはあっても、「全部同じような意味じゃないの?」と思っていませんか?
私も以前、会社のロゴを作ったとき、「®とTMはどっちを付ければいいの?」と困ったことがあります。実はこの4つのマーク、似ているようで法的な意味が全く違い、間違えると刑事罰になるケースもあるんです。
この記事では以下がわかります。
・ ®・TM・SM・©それぞれの正確な意味と略語の由来
・ 登録済みかどうかの違いと法的な扱い
・ 日本での正しい使い方と間違えると危ないポイント
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「®」「TM」「SM」「©」の違いを簡単にまとめ

4つの最大の違いは、法律の種類(商標法か著作権法か)と登録の要否(®のみ登録必須)です。
®(Rマーク):特許庁に正式登録された商標に付けるマーク。4つの中で最も法的な意味が重い。
TM(TMマーク):商品の商標であることを示すマーク。登録の有無を問わず自由に使える。
SM(SMマーク):サービス(役務)の商標であることを示すマーク。登録の有無を問わず自由に使える。
©(Cマーク):著作権(Copyright)があることを示すマーク。商標とは全く別の著作権法に属する。
「®(Rマーク)」とは
®とは、特許庁に正式に登録された商標(登録商標)に付けるマークです。 “Registered Trademark”(登録された商標)の頭文字Rを丸で囲んだもので、「マルアール」や「アールマーク」とも呼ばれます。
®の基本情報は以下の通りです。
・ 正式な意味:Registered Trademark(登録商標)
・ 使用条件:特許庁への商標登録が完了していること
・ 日本語読み:マルアール・アールマーク
・ 発祥:アメリカ(米国商標法ランハム法・1946年)
・ 日本での表示義務:なし(任意)
®の最大の特徴は、「特許庁に登録済みであること」を示す唯一のマークであることです。 TMやSMが登録の有無を問わず使えるのに対し、®は登録が完了した商標にしか付けられません。これが4つのマークの中で最も法的に重い意味を持つ理由です。
®が使用されるシーンには以下のようなものがあります。
・ 商標登録が完了した商品名・ブランド名のそば
・ 登録済みのロゴマーク
・ 企業名や製品名の右上・右下
私の知人が知財部門で働いていて、「®は登録完了の証明書」と言っていました。商標登録が審査を通って登録番号が発行されたら初めて®を付けられるそうです。出願中はまだ付けられず、その期間はTMで代用することが多いとか。®はゴールに到達したときのマークだと言っていました。
日本での®の法的な扱いには注意点があります。 日本の商標法では、登録商標の正式な表示方法は「登録商標第○○○号」と定められており、®の表示は義務ではありません。ただし慣習的に®が広く使われており、特許庁も®の使用は問題ないとしています。
未登録の商標に®を付けると虚偽表示となります。 日本の商標法第80条は虚偽表示について刑事罰を科しており、その量刑は3年以下の懲役または300万円以下の罰金と定めています。絶対に登録前に®を使ってはいけません。
「TM(TMマーク)」とは
TMとは、商品に関する商標であることを示すマークで、商標登録の有無を問わず使えます。 “Trademark”(商標)の略で、「登録」を意味するRegisteredが除かれた分だけ、®より軽い意味を持ちます。
TMの基本情報は以下の通りです。
・ 正式な意味:Trademark(商品商標)
・ 使用条件:商標登録がなくても自由に使用可能
・ 主な用途:登録出願中・登録前のアピール・商標であることの表明
・ 発祥:アメリカ
・ 日本での表示義務:なし(任意)
TMの最大の特徴は、未登録でも自由に付けられることです。 TMマークには「登録」という意味が含まれないので、登録されていなくても使用することができます。商標登録を出願中だが審査中でまだ登録されていない場合や、将来的に登録を検討している場合に広く使われます。
TMが使用されるシーンには以下のようなものがあります。
・ 商標登録出願中の商品名・ロゴ
・ 将来的に登録予定のブランド名
・ 「この名前は商標として使っている」とアピールしたいとき
・ 他社による無断使用を抑制したいとき
私の友人が起業したとき、「TMは出願中の仮マーク」と言っていました。商標登録を出願してから登録まで通常半年〜1年かかるため、その間はTMを付けておくそうです。これで「商標であることを主張しているが、まだ登録は完了していない」という状態を示せるとか。TMは登録への道中で使うマークだと言っていました。
TMには法的な保護力はありません。 TMを付けても商標権は発生せず、第三者が同じ名前を使ってもTMだけでは法的に排除できません。あくまで「商標として使っている」という意思表示です。
普通名称化を防ぐ効果もあります。 商標が広く一般に使われすぎると、その言葉が一般名称として認識されてしまう「普通名称化」が起きることがあります。TMを付け続けることで「これは特定の会社の商標だ」と示し、普通名称化を防ぐ効果があります。
「SM(SMマーク)」とは
SMとは、サービス(役務)に関する商標であることを示すマークで、商標登録の有無を問わず使えます。 “Service Mark”(サービスマーク・役務商標)の略で、TMが形のある商品の商標に使われるのに対し、SMは形のないサービスの商標に使われます。
SMの基本情報は以下の通りです。
・ 正式な意味:Service Mark(役務商標・サービス商標)
・ 使用条件:商標登録がなくても自由に使用可能
・ 主な用途:サービス業の商標であることの表明
・ 発祥:アメリカ
・ 日本での表示義務:なし(任意)
SMの最大の特徴は、「形のないサービス」の商標に使われることです。 レストランや飲食提供、ホテルや宿泊、バスやタクシーなどの輸送業、銀行や保険などの金融サービスなど、モノではなくサービス自体に関する商標を表します。
SMが使用されるシーンには以下のようなものがあります。
・ 飲食店・レストランチェーンのサービス名
・ ホテル・宿泊業のサービス名
・ 運輸・物流サービスの名称
・ 金融・保険サービスの名称
私の友人がホテルの経営企画部で働いていて、「SMはサービス業のTM」と説明してくれました。ホテルのサービス名には形がないのでTMより SMの方が正確だそうです。ただし日本ではSMをほとんど見かけず、サービス業でもTMを使うことが多いとか。SMは主にアメリカで使われるマークだと言っていました。
日本ではSMはほとんど使われていません。 日本ではSMマークはほとんど使用されていません。サービスに関する商標でも、日本ではTMを付けるのが一般的です。SMはアメリカ発祥で、アメリカや一部の英語圏で主に使われています。
TMとSMの実質的な使い分けはほぼありません。 TMはサービスに対しても使えるため、日本ではサービス業の商標にTMを付けることが圧倒的に多く、SMを見かけることは稀です。
2000年ごろに倉敷のいがらしゆみこ美術館で購入したあぶらとり紙とテレフォンカード。
— 花里ひかり / 姫川きらら (@h_hanasato) October 8, 2025
この頃、まだ私はただの漫画好き大学生でした。
原作の水木先生といがらし先生との裁判を知ったのはもっと後。
あぶらとり紙の方には水木先生の©マークがありますが…テレフォンカードにはないですね…🤔 pic.twitter.com/D2lerV1HbK
「©(Cマーク・コピーライトマーク)」とは
©とは、著作権(Copyright)があることを示すマークで、商標とは全く別の法律体系に属します。 “Copyright”(著作権)の頭文字Cを丸で囲んだもので、「コピーライトマーク」「著作権表示」とも呼ばれます。
©の基本情報は以下の通りです。
・ 正式な意味:Copyright(著作権)
・ 使用条件:著作権者であれば登録なしで自由に使用可能
・ 表示形式:© [著作権者名] [最初の公表年]
・ 発祥:国際著作権法(万国著作権条約)
・ 日本での表示義務:なし(任意)
©の最大の特徴は、商標ではなく著作権を示すことです。 ®・TM・SMが商標法による保護に関わるのに対し、©は著作権法による保護に関わります。この点が他の3つとの最大の違いです。
©が使用されるシーンには以下のようなものがあります。
・ 書籍・雑誌の奥付(「© 著者名 2024」)
・ ウェブサイトのフッター(「© 企業名 All rights reserved.」)
・ 映画・音楽・ゲームのクレジット表示
・ 写真・イラスト・デザインの著作権表示
私の知人がウェブデザイナーをしていて、「©はサイトの著作権を示すもの」と言っていました。自分が作ったウェブサイトのフッターに「© 氏名 2024」と入れることで、「このサイトの著作権は私にある」と示せるそうです。登録手続きは不要で、作った瞬間から著作権は自動的に発生するとか。©は権利の存在を知らせる表示だと言っていました。
著作権は創作した瞬間に自動発生します。 商標のように特許庁への登録は不要で、小説・音楽・絵画・プログラムなど創作物を作った瞬間から著作権が生まれます。©マークはその存在を外部に知らせるための表示です。
©の標準的な表示形式は「© [著作権者名] [最初の公表年]」です。 例えば「© 山田太郎 2024」や「© 〇〇株式会社 2024 All Rights Reserved.」のように表示します。
4つの違いをまとめて比較
4つのマークの関係を整理すると以下の通りです。
法律の種類が異なります。 ®・TM・SMは商標法の範囲、©は著作権法の範囲です。これが最も根本的な違いで、©だけが全く別の法律に属します。
登録の要否が異なります。 ®:特許庁への商標登録が必須、TM・SM:登録不要(自由に使用可)、©:著作権登録も不要(創作と同時に自動発生)です。
対象が異なります。 ®・TM:商品の商標(形のあるモノ)、SM:サービスの商標(形のないサービス)、©:著作物(小説・音楽・絵・プログラム等)です。
法的な効力が異なります。 ®:商標権による法的保護あり(登録済み)、TM・SM:法的保護力なし(意思表示のみ)、©:著作権による法的保護あり(登録不要)です。
間違えたときのリスクも異なります。 ®を未登録商標に付けると虚偽表示として刑事罰(3年以下の懲役または300万円以下の罰金)のリスクがあります。TM・SM・©は比較的自由に使えますが、©も著作権者でない者が不正に使えば問題になります。
私の友人が弁理士をしていて、「4つのうち®だけが厳格なルールがある」と言っていました。TM・SM・©は比較的自由に使えますが、®だけは登録完了が絶対条件で、これを間違えると刑事罰になりうるとか。®は4つの中で唯一「取り扱い注意」のマークだと言っていました。
覚え方・区別のコツ
4つのマークを覚えるコツは、「Rは登録済み、TMは商品、SMはサービス、Cは著作権」というセットで覚えることです。
頭文字で覚えると、R=Registered(登録済み)、T=Trade(商取引)、S=Service(サービス)、C=Copyright(著作権)となります。
よく見るシーンで覚える方法もあります。 商品ロゴの右上に®→登録済み商標、出願中ブランドに™→未登録商標、本やサイトのフッターに©→著作権、です。
私が4つを覚えるとき、「®は重い(登録必須)、TM・SMは軽い(自由に使える)、©は別ジャンル(著作権)」というイメージで整理しています。これだけ覚えれば使い分けの判断ができます。
日本特有の表示ルールも覚えておくと便利です。 日本の商標法が定める正式な登録商標表示は「登録商標第○○○号」です。®は義務ではありませんが広く慣習として使われており、どちらを使っても問題ありません。
間違えやすいポイント
最も間違えやすく危険なのが、未登録の商標に®を付けることです。
登録手続きが完了していない段階で®を付けると、日本では虚偽表示となります。商標登録の審査中や出願前に®を付けるのは絶対にNGで、その期間はTMを使いましょう。
もう1つよくある間違いが、「©を付けないと著作権が発生しない」という誤解です。 著作権は創作した瞬間に自動的に発生し、©マークを付けなくても保護されます。©は権利の存在を知らせるための任意の表示です。
私の友人が新商品を開発したとき、商標登録を出願したばかりなのに商品パッケージに®を付けてしまったことがあるそうです。これは虚偽表示にあたりうるため、急いでTMに差し替えたとか。これもよくある間違いで、出願中は®ではなくTMを使うことが鉄則です。 登録番号が発行されてから初めて®に変えましょう。
また、「SMは日本では普通に使われる」という誤解もあります。日本ではSMを見かけることは稀で、サービス業の商標でもTMを使うのが一般的です。日本語話者の多くはSMというアルファベットの組み合わせに別の意味を連想するため、特に日本ではTMの方が無難です。
「©を付けると登録が必要」という誤解もあります。©は登録不要で、創作した瞬間から著作権は発生しています。ただし、著作権の権利行使をスムーズに行うために、創作年・著作権者名を明記した©表示をしておくことが実務上は推奨されます。
全てのマークに表示義務はない、という点も知っておくと便利です。®・TM・SM・©のいずれも、日本では表示の義務はありません。ただし表示することで「この権利は私にある」と外部に知らせる効果があり、権利侵害の抑止力になります。特にウェブサイトや商品パッケージへの表示は強くおすすめです。
よくある質問
Q1:®・TM・SM・©の一番簡単な見分け方は?
法律の種類と登録の要否で見分けます。 ®は特許庁に登録済みの商標(商標法・登録必須)、TMは登録不要の商品商標(商標法・任意)、SMは登録不要のサービス商標(商標法・任意)、©は著作権を示すマーク(著作権法・登録不要)です。©だけが商標と全く別の法律に属します。
Q2:出願中の商標に付けるべきマークは?
TMを付けましょう。 商標登録の審査中はまだ登録が完了していないため®は付けられません。その期間はTMを付けることで「商標として使っている」という意思表示ができます。登録番号が発行されて正式に登録が完了したら®に変更します。
Q3:未登録商標に®を付けるとどうなる?
虚偽表示として刑事罰の対象になる可能性があります。 日本の商標法第80条は虚偽表示について刑事罰を科しており、3年以下の懲役または300万円以下の罰金と定めています。未登録商標への®の使用は絶対に避けましょう。
Q4:日本での正式な登録商標の表示方法は?
「登録商標第○○○号」が日本の商標法が定める正式な表示です。 ただし®も広く慣習的に使われており、特許庁も®の使用を問題としていません。表示義務はないため、®でも「登録商標第○○○号」でも、どちらを使っても構いません。
Q5:©マークを付けないと著作権はない?
いいえ、著作権は創作した瞬間に自動発生します。 ©マークがなくても著作権は存在し、法的に保護されます。©は権利の存在を外部に知らせる任意の表示です。ただし「知らなかった」という言い訳を防ぐためにも、著作物には©を表示しておくことが実務上推奨されます。
Q6:SMはどんな業種に使う?
レストランや飲食店、ホテルや宿泊業、運輸・物流、金融・保険など形のないサービス業の商標に使います。 ただし日本ではSMを使うケースは稀で、サービス業でもTMを使うのが一般的です。SMは主にアメリカや英語圏で使われるマークです。
Q7:ウェブサイトのフッターに入れるべきマークは?
©(コピーライトマーク)です。 ウェブサイトのコンテンツ(文章・画像・デザインなど)の著作権を示すために「© [会社名または氏名] [最初の公開年]」の形式で入れます。サービス名のロゴに商標権を主張したい場合は別途®やTMを付けます。
「ブランド」の人気商品をレビュー件数順に楽天で探す!まとめ
®(Rマーク)とは特許庁に正式登録された商標に付けるマークで、4つの中で最も法的な意味が重いです。 “Registered Trademark”の略で、登録完了後にのみ使用可能です。未登録商標に付けると虚偽表示として刑事罰(3年以下の懲役または300万円以下の罰金)のリスクがあります。
TM(TMマーク)とは商品の商標であることを示すマークで、登録の有無を問わず自由に使えます。 “Trademark”の略で、商標登録の出願中や登録前のアピールに使われます。法的な保護力はありませんが、商標であることの意思表示として有効です。
SM(SMマーク)とはサービス(役務)の商標であることを示すマークで、登録の有無を問わず自由に使えます。 “Service Mark”の略で、レストラン・ホテル・金融などの形のないサービスの商標に使います。日本ではほとんど使われず、サービス業でもTMが一般的です。
©(Cマーク)とは著作権(Copyright)があることを示すマークで、商標とは全く別の著作権法に属します。 登録不要で創作した瞬間から著作権は自動発生します。書籍の奥付やウェブサイトのフッターに「© 著作権者名 公表年」の形式で表示します。
4つの最大の違いは、法律の種類(商標法か著作権法か)と登録の要否(®のみ登録必須)です。 特に®だけは登録完了が絶対条件であることを忘れず、出願中はTMを使うことが鉄則です!

