「作業手順を確認してください」「製造工程を管理する」「業務プロセスを改善する」……どれも「やるべきこと・進み方」を表しているようだけど、何が違うんだろう?
私もパート先で業務マニュアルを読んでいたとき、「手順書」と「工程表」と「業務プロセス」という言葉が出てきて、「全部やり方のことじゃないの?」と混乱したことがあります。なんとなく意味は通じるけれど、使い分けがあるのかどうか自信がなかったんですよね。
この記事では以下がわかります:
・ 「手順」「工程」「プロセス」それぞれの正しい意味と定義
・ 日常・ビジネスでの正しい使い分けと具体的な例
・ 間違えやすいポイントと覚え方のコツ
「手順」「工程」「プロセス」の違いを簡単にまとめると

まずは結論から!3つの違いをざっくり整理します。
・ 「手順」は目的を達成するために踏むべき具体的なステップ・作業の順序を指す言葉
・ 「工程」は製造や建設など、モノを作り上げる過程での各段階・作業区分を指す言葉
・ 「プロセス」は目的達成に向けた一連の流れ・過程全体を指すカタカナ語で、抽象的な概念も含む
3つとも「何かを進める流れ」に関係していますが、具体性・抽象性・使われる場面がそれぞれ異なります。詳しい意味と使い方は、以下で順番に解説します。
「手順」とは
「手順」とは、目的を達成するために踏むべき具体的なステップ・作業の順序を指す言葉で、3つの中で最も具体的で実行に直結した言葉です。
「手」は「作業・やること」、「順」は「順序・順番」を意味します。手順という言葉の特徴は、「1番目に〇〇、2番目に△△、3番目に□□」のように、実際の作業者が迷わず実行できるレベルの具体性を持っている点です。工程が「大きな区分」、プロセスが「全体の流れ」であるのに対し、手順は「その場ですぐできる細かい指示」というニュアンスが強い言葉です。
手順という言葉が最もよく使われるのは、誰が見ても同じように実行できる「再現性」が求められる場面です。
「作業手順書」「操作手順」「緊急時の手順」のように、具体的な指示・マニュアル・ガイドラインを示す文脈でよく登場します。手順書があれば初心者でも間違えずに作業ができる、という再現性と具体性が手順という言葉の本質です。
「手順」が使われる主なシーンはこちらです:
・ 業務マニュアルで「この作業の手順は次の通りです」と具体的に示すとき
・ 料理レシピで「調理手順:1. 野菜を切る、2. 炒める、3. 調味料を加える」と説明するとき
・ 機械の操作説明書で「起動手順」「停止手順」を番号付きで記載するとき
・ 会議で「プロジェクトを進める手順を確認しましょう」と使うとき
・ 「手順を間違えるとエラーが出る」のように、順序の重要性を伝えるとき
私が家で新しい家電を買ったとき、取扱説明書に「初回設定の手順」という項目があって、「1. 電源コードを差す、2. 電源ボタンを3秒長押しする、3. 画面の指示に従う」と番号付きで書いてありました。誰が見ても迷わず同じように実行できる具体性があって、まさに「手順」という言葉のニュアンスにぴったりでした。おかげでスムーズに設定できて10分で終わりました。
「工程」とは
「工程」とは、製造や建設など、モノを作り上げる過程での各段階・作業区分を指す言葉で、製造業・建設業・生産管理で特によく使われる専門的な言葉です。
「工」は「つくる・仕事」、「程」は「段階・過程」を意味します。工程という言葉の特徴は、「原料→加工→組み立て→検査→完成」のように、モノが完成するまでの大きな段階・区切りを指す点です。手順が「細かい作業のステップ」であるのに対し、工程は「大きな作業のまとまり・区分」というニュアンスを持ちます。
工程は「工程管理」「工程表」のように、生産・製造のスケジュールや進捗を管理する文脈でよく登場します。
製造業では「この製品は5つの工程を経て完成する」、建設業では「基礎工事→躯体工事→内装工事」のように、大きな作業の区切りを工程と呼びます。手順が「やり方の細かい順序」、プロセスが「全体の流れ」であるのに対し、工程は「作業を区分したブロック」というイメージです。
「工程」が使われる主なシーンはこちらです:
・ 製造業で「この部品の製造工程は切断→研磨→塗装の3工程です」と説明するとき
・ 建設現場で「工程表を確認して進捗を管理する」とき
・ 品質管理で「どの工程で不良が発生したか調査する」とき
・ プロジェクト管理で「各工程の完了予定日を設定する」とき
・ 「工程を短縮してコストを削減する」のように、効率化の文脈で使うとき
夫が建設会社の工事現場で働いていたとき、「今週は基礎工事の工程が終わって、来週から躯体工事の工程に入る」と話していました。建物が完成するまでの大きな作業の区切りを「工程」と呼んでいて、細かい作業手順とは違う「段階・ブロック」というニュアンスがよく伝わってきました。工程表には各工程の開始日と完了予定日が書いてあって、全体で12工程に分かれていたそうです。
手のデッサンプロセス pic.twitter.com/WdoaoafZgd
— ena美術 秋葉原 (@shinbi_akb) February 9, 2026
「プロセス」とは
「プロセス(process)」とは、英語で「過程・進行」を意味するカタカナ語で、目的達成に向けた一連の流れ・過程全体を指し、抽象的な概念も含む幅広い言葉です。
語源は英語の「process(過程・手順・処理)」で、ラテン語の「procedere(前に進む)」に由来します。プロセスという言葉の特徴は、手順のような「細かいステップ」でも工程のような「製造の段階」でもなく、「始まりから終わりまでの全体の流れ・変化の過程」という広い概念を指す点です。
プロセスはビジネス・マネジメント・ITなど、幅広い分野で「全体の流れ」を語る際に使われます。
「業務プロセス」は業務の一連の流れ、「意思決定プロセス」は決定に至るまでの過程、「成長プロセス」は成長していく過程を指します。手順が「具体的な指示」、工程が「作業の区分」であるのに対し、プロセスは「結果に至るまでの流れ全体・変化の過程」という抽象度の高い概念として使われることが多い言葉です。
「プロセス」が使われる主なシーンはこちらです:
・ ビジネス改善で「業務プロセスを見直して効率化する」とき
・ マネジメントで「意思決定プロセスを明確にする」とき
・ 教育・心理学で「学習プロセス」「成長プロセス」を語るとき
・ IT・システム開発で「開発プロセス」「処理プロセス」を使うとき
・ 「結果だけでなくプロセスも大切」のように、過程の重要性を強調するとき
私が子供の学校の保護者会に出たとき、先生が「テストの点数も大事ですが、学習プロセスを大切にしてほしい」と話していました。単に答えを覚えるのではなく、「どう考えて・どう調べて・どう理解したか」という過程全体を指していて、細かい手順でも作業の工程でもなく、「成長していく流れ全体」という抽象的な意味でプロセスという言葉がぴったりはまっていました。
3つの違いを比較
ここで「手順」「工程」「プロセス」の違いを、いくつかのポイントでまとめて整理します。
最もわかりやすい違いは「具体性・抽象性」のレベルです。
手順は最も具体的で、「1番目に〇〇、2番目に△△」という実行レベルの指示です。工程はやや抽象的で、「A工程→B工程→C工程」という大きな区分・段階です。プロセスは最も抽象的で、「始まりから終わりまでの全体の流れ・変化の過程」という概念的な言葉です。つまり「手順(最も具体)→工程(中間)→プロセス(最も抽象)」という具体性のグラデーションがあります。
使われる業種・場面にも明確な違いがあります。
手順は業種を問わず、料理・機械操作・業務マニュアル・緊急対応など、幅広い場面で使えます。工程は製造業・建設業・生産管理など、「モノを作る」文脈に特化した専門的な言葉です。プロセスはビジネス全般・IT・教育・心理学など、「流れ・過程」を抽象的に語る場面で幅広く使われます。
「番号の有無」でも整理できます。
手順は「手順1、手順2、手順3」のように番号を付けて示すことが多いです。工程は「第1工程、第2工程」のように番号を付けることもありますが、「切断工程、研磨工程」のように名前で呼ぶことも多いです。プロセスは番号を付けずに「全体の流れ」として語ることがほとんどです。
シーン別の使い分けガイド
業務マニュアル・操作説明書・レシピでは「手順」が最も適切です。「この作業の手順は次の通りです」「起動手順」「調理手順」のように、誰が見ても同じように実行できる具体的な指示には手順を使うと正確です。
製造業・建設業・生産管理では「工程」が定番の言葉です。「製造工程を管理する」「各工程の進捗を確認する」「工程表を作成する」のように、モノを作り上げる過程での大きな段階・区分を表すには工程が最も自然です。
ビジネス改善・マネジメント・抽象的な議論では「プロセス」が最もフィットします。「業務プロセスを見直す」「意思決定プロセスを明確にする」「成長プロセスを大切にする」のように、全体の流れ・変化の過程を語る場面ではプロセスが適しています。
間違えやすいポイント
最もよくある間違いは、「手順」と「プロセス」を完全に同じ意味として使ってしまうことです。
「業務プロセスを確認してください」と「業務手順を確認してください」は似ていますが、ニュアンスが異なります。「業務プロセス」は業務の全体の流れ・仕組みを見直す話で、「業務手順」は具体的な作業のやり方・ステップを確認する話です。抽象的な議論にはプロセス、具体的な実行指示には手順を選ぶと正確です。
「工程」を「手順」の代わりに使うと専門的・製造業的になりすぎる場合があります。
「料理の工程」という言い方も間違いではないですが、一般的には「料理の手順」の方が自然です。工程は製造業・建設業の専門用語として定着しているため、日常的な作業には「手順」を使う方が馴染みやすいです。ただし「パン作りは発酵工程が重要」のように、製造に近いニュアンスを出したいときは工程も使えます。
「プロセス」を多用しすぎることへの注意も必要です。
プロセスは便利な言葉ですが、具体的な指示が必要な場面で「プロセスを確認する」と言うと、「で、具体的に何をすればいいの?」と混乱させることがあります。実行レベルの指示には「手順」、全体の流れの話には「プロセス」と使い分けることで、伝わりやすさが上がります。
よくある質問
Q1:「手順」と「プロセス」はどう使い分ける?
「手順」は具体的な作業のステップ・順序、「プロセス」は全体の流れ・過程を指します。 マニュアルや指示書で「やるべきこと」を番号付きで示すときは手順、ビジネス改善や議論で「流れ全体」を語るときはプロセスが適切です。「操作手順を確認する」は具体的な指示、「業務プロセスを改善する」は仕組み全体の見直しという違いがあります。
Q2:「工程」は製造業以外でも使える?
使えますが、製造業・建設業の専門用語としてのイメージが強いです。 料理・農業・研究など、「段階的に何かを作り上げる」文脈であれば使えますが、一般的な業務やサービス業では「手順」や「プロセス」の方が自然に聞こえることが多いです。「生産工程」「製造工程」は定番の表現ですが、「事務作業の工程」はやや不自然です。
Q3:「工程管理」とはどういう意味?
製造や建設の各工程が計画通りに進んでいるか監視・調整することです。 各工程の開始日・完了予定日を設定し、遅れやトラブルがないか確認しながら、全体のスケジュールを守るための管理活動を指します。工程表(ガントチャートなど)を使って進捗を可視化し、問題があれば早期に対処するのが工程管理の基本です。
Q4:「手順書」と「マニュアル」はどう違う?
「手順書」は作業の順序に特化した文書、「マニュアル」はより広い範囲の情報を含む取扱説明書・ガイドブックです。 手順書は「1. 〇〇する、2. △△する」という順序の説明が中心ですが、マニュアルには手順だけでなく、注意事項・トラブルシューティング・仕様・背景知識なども含まれます。手順書はマニュアルの一部として含まれることが多いです。
Q5:「プロセス」の反対語は?
「結果(result)」または「成果(outcome)」が対義語として使われます。 「結果だけでなくプロセスも大切」「プロセスを評価する文化」のように、結果・成果に至るまでの過程・経緯を重視する文脈で使われます。「結果主義」と「プロセス主義」という対比もビジネスや教育の場面でよく語られます。
Q6:日常会話では3つのどれが使いやすい?
日常会話では「手順」が最も使いやすく直感的に伝わります。 「料理の手順」「掃除の手順」「申し込みの手順」のように、やるべきことの順序を説明する場面で幅広く使えます。「工程」は専門的な印象、「プロセス」はやや抽象的な印象になりやすいため、日常会話の「やり方」を伝えたいときは手順を選ぶのが無難です。
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「手順」「工程」「プロセス」の違いを整理すると、以下のようになります。
・ 「手順」は具体的な作業のステップ・順序。マニュアル・レシピ・操作説明など実行レベルの指示に使う
・ 「工程」は製造・建設でのモノ作りの各段階・作業区分。生産管理・スケジュール管理で使われる専門用語
・ 「プロセス」は始まりから終わりまでの全体の流れ・過程。ビジネス改善・抽象的な議論で使われる幅広い言葉
「具体的な指示なら手順、製造の段階なら工程、全体の流れならプロセス」という基準を覚えておくだけで、3つの使い分けがぐっとクリアになります。ぜひビジネスでも日常でも、正しく使い分けてみてください!

